2022年10月31日
ハロウィーン電車
JR東海が発行するお得切符で
ローカル私鉄に乗ってきました。
この切符はJR東海エリアの
普通列車が2日間乗り放題で、
さらに同エリア内のローカル私鉄に
乗り放題という、まさに乗り鉄を
ターゲットにしたお得切符です。

静岡県の岳南電車(がくなん)に
まずは乗車。
JR吉原駅から延びている私鉄。
総延長が10km弱で10駅しかない
全線単線の超ローカル路線です。

駅の改札口は哀愁漂ってます。
乗客もまばらで、車内はガラガラ。

ハロウィーン仕様の電車に少し
心がなごみます。

終点は岳南江尾(えのお)。

ホームのこのポイントの立つと、
新幹線の高架の向こうに
富士山がきれいに望めるらしい。
ですが、雲があたり全体を覆って
いて、頂上はもちろん裾野も全く
見えません。

JR線では中々見られない
ハロウィーンの飾り付けなど、
車内は華やいだ雰囲気。
思わずカメラで記念にと
撮影してしまいます。

子供連れのご家族は楽しそうに
会話が弾んでました。


運転席の後ろのガラス窓にも
飾り付けがあるのは、ローカル線
ならではの規制緩和でしょうか。

続いて、JR三島駅から延びている
伊豆箱根鉄道に乗車。

あの有名な修善寺温泉近く
まで走るローカル線です。
東京方面からは、JRの電車が
相互乗り入れしているようです。

アニメキャラのラッピング電車が
華やいでますが、撮影するのを
少しためらってしまうほどの
可愛いデザインです。

この電車目当てに遠くから訪れる
撮り鉄や乗り鉄、アニメファンが
きっといるのでしょう。

私にはアニメ趣味がないので、
さっさと撮影して車内へもぐり
込みます。

修善寺駅で食べた、名物の
コロッケそば。
コロッケはホクホクフワフワで
中々美味でしたヨ。
本来は三島がコロッケそばの
発祥の地らしいですが。
そういえば、阪急の主要駅の
立ちそば屋で食べられる
「ポテトそば」はどうなんでしょう。
こちらはまだ食べたことがないので、
また近いうちに試食しに行きます。

続いて乗ったのは静岡鉄道。

JR清水駅とJR静岡駅を結ぶ
11キロほどの複線化路線です。
結構新しい車両で加速が良く、
乗り心地が良かったです。

次は豊橋鉄道。
JRの豊橋駅前から総延長18キロの
渥美線と、市内5.4キロを路面電車
として走る東田本線があります。

渥美線は、始発駅の新豊橋駅を
出発すると3駅目に愛知大学前駅に
停車します。
この駅で大半の人が降ります。
あとはすごくローカルな感じで、
近江鉄道の雰囲気に似ています。
約35分で終点の三河田原駅に到着。
この路線を走る電車は、カラフル
トレインの愛称で親しまれています。

1編成ごとにイメージカラーとして
花のイラストがきれいに描かれて
いて、色んなカラフルな電車を
見てみたくなります。

ばら、椿、つつじの他に
桜、菊、菜の花、ひまわり
などがあるようです。

このあと、市内を路面電車として
走る東田本線に乗車。


路面電車は車と並走するので、
一般の電車とは車窓からの
眺めが少し違います。

駅間距離も停車時間も短く、
発車したかと思うとすぐに
次の電停。
広島市内で乗った路面電車を
思い出しました。

路面電車の終点の線路は
どうなっているのだろうか。
終点の駅でレールの終点をカメラに
収めてきました。
普通にレールが終わっていました。
まあ、当然のことなんですが。

最後に乗ったのは、愛知環状鉄道。
昔、JRから第3セクターとして建設を
要望され、地元の大企業や自治体が
出資して建設され営業運転されて
います。
全国でも珍しい黒字経営の
第3セクター路線だったのですが、
最近は少々苦しい台所事情らしい
です。
東海道のJR岡崎駅と中央本線の
JR高蔵寺駅を40分ほどで結ぶ路線。
路線の殆どが高架で、乗り心地は
とても良くて快適でした。

まだこの近辺では乗れていない
ローカル線が多くあり、たとえば
長良川鉄道とか、樽見鉄道とか
また暇を見つけて乗り鉄をして
みようかと思ってます。
ローカル私鉄に乗ってきました。
この切符はJR東海エリアの
普通列車が2日間乗り放題で、
さらに同エリア内のローカル私鉄に
乗り放題という、まさに乗り鉄を
ターゲットにしたお得切符です。

静岡県の岳南電車(がくなん)に
まずは乗車。
JR吉原駅から延びている私鉄。
総延長が10km弱で10駅しかない
全線単線の超ローカル路線です。

駅の改札口は哀愁漂ってます。
乗客もまばらで、車内はガラガラ。

ハロウィーン仕様の電車に少し
心がなごみます。

終点は岳南江尾(えのお)。

ホームのこのポイントの立つと、
新幹線の高架の向こうに
富士山がきれいに望めるらしい。
ですが、雲があたり全体を覆って
いて、頂上はもちろん裾野も全く
見えません。

JR線では中々見られない
ハロウィーンの飾り付けなど、
車内は華やいだ雰囲気。
思わずカメラで記念にと
撮影してしまいます。

子供連れのご家族は楽しそうに
会話が弾んでました。


運転席の後ろのガラス窓にも
飾り付けがあるのは、ローカル線
ならではの規制緩和でしょうか。

続いて、JR三島駅から延びている
伊豆箱根鉄道に乗車。

あの有名な修善寺温泉近く
まで走るローカル線です。
東京方面からは、JRの電車が
相互乗り入れしているようです。

アニメキャラのラッピング電車が
華やいでますが、撮影するのを
少しためらってしまうほどの
可愛いデザインです。

この電車目当てに遠くから訪れる
撮り鉄や乗り鉄、アニメファンが
きっといるのでしょう。

私にはアニメ趣味がないので、
さっさと撮影して車内へもぐり
込みます。

修善寺駅で食べた、名物の
コロッケそば。
コロッケはホクホクフワフワで
中々美味でしたヨ。
本来は三島がコロッケそばの
発祥の地らしいですが。
そういえば、阪急の主要駅の
立ちそば屋で食べられる
「ポテトそば」はどうなんでしょう。
こちらはまだ食べたことがないので、
また近いうちに試食しに行きます。

続いて乗ったのは静岡鉄道。

JR清水駅とJR静岡駅を結ぶ
11キロほどの複線化路線です。
結構新しい車両で加速が良く、
乗り心地が良かったです。

次は豊橋鉄道。
JRの豊橋駅前から総延長18キロの
渥美線と、市内5.4キロを路面電車
として走る東田本線があります。

渥美線は、始発駅の新豊橋駅を
出発すると3駅目に愛知大学前駅に
停車します。
この駅で大半の人が降ります。
あとはすごくローカルな感じで、
近江鉄道の雰囲気に似ています。
約35分で終点の三河田原駅に到着。
この路線を走る電車は、カラフル
トレインの愛称で親しまれています。

1編成ごとにイメージカラーとして
花のイラストがきれいに描かれて
いて、色んなカラフルな電車を
見てみたくなります。

ばら、椿、つつじの他に
桜、菊、菜の花、ひまわり
などがあるようです。

このあと、市内を路面電車として
走る東田本線に乗車。


路面電車は車と並走するので、
一般の電車とは車窓からの
眺めが少し違います。

駅間距離も停車時間も短く、
発車したかと思うとすぐに
次の電停。
広島市内で乗った路面電車を
思い出しました。

路面電車の終点の線路は
どうなっているのだろうか。
終点の駅でレールの終点をカメラに
収めてきました。
普通にレールが終わっていました。
まあ、当然のことなんですが。

最後に乗ったのは、愛知環状鉄道。
昔、JRから第3セクターとして建設を
要望され、地元の大企業や自治体が
出資して建設され営業運転されて
います。
全国でも珍しい黒字経営の
第3セクター路線だったのですが、
最近は少々苦しい台所事情らしい
です。
東海道のJR岡崎駅と中央本線の
JR高蔵寺駅を40分ほどで結ぶ路線。
路線の殆どが高架で、乗り心地は
とても良くて快適でした。

まだこの近辺では乗れていない
ローカル線が多くあり、たとえば
長良川鉄道とか、樽見鉄道とか
また暇を見つけて乗り鉄をして
みようかと思ってます。

2022年10月19日
ミッフィー&阪急コラボ
ミッフィーと阪急がコラボ?
ラッピング電車ではなくミッフィー関連の
ステッカーが貼られた電車が、京都線と
宝塚線、神戸線にそれぞれ1編成だけ
走っています。

これに伴うスタンプラリーが開催中で、
ミッフィー電車を撮影し、スタンプラリーに
参加するため、阪急電車を乗り鉄して
きました。
スタンプラリー参加用のミニ冊子が
主要駅に設置されていて、それを
持って決められた駅を4駅以上回り
ます。

乗り鉄を河原町駅からスタート。
まずは嵐山駅まで行きます。
駅ホームや駅舎にミッフィーが
うまく埋め込まれています。
ホームの駅名表示板にもミッフィーが
ちらり。

ホーム柵のところにもミッフィー関連の
絵柄が自然と埋め込まれていて、
うっかりすると見過ごしてしまいそう。

駅舎を出て振り返って見上げると、
「阪急嵐山駅」の大きな駅名表示に
さりげなくミッフィーがチラリ。

最初からあったであろう駅名表示に、
あとからミッフィーをさりげなく入れる
工事って、どんな具合にされたのか、
想像してみると面白いですね。


高槻市駅にスタンプが設置されている
ので、そこで途中下車して河原町駅に
続いて2個目のスタンプをゲット。

頭端式10面9線の大阪梅田駅ホーム。
その整然としていて壮大な雰囲気に
しばし撮り鉄をします。

車両番号ゾロ目の車両を発見。
最初は何の記号かわからず、
良く見ると1が4個でした。


ミッフィー電車は各路線で1編成
だけなので、中々お目にかかれ
ません。
撮り鉄がホームの北端に集まり
始めると、すぐにミッフィー電車が
やってきました。
ミッフィー電車のダイヤは公開されて
おらず、撮り鉄はどこからかダイヤの
情報がわかるようです。


大阪梅田駅に到着した電車は
しばらく停車して、15分もすれば
また目的地に向かって出発して
いきます。
その間、ミッフィー電車をじっくりと
撮影できます。



ミッフィー電車には中々お目に
かかれないものなので、撮り鉄で
なくとも皆さんスマホで撮影されて
ました。


特に小さな子供さんがいるご家族は
そこそこテンション上げて撮影
されてました。



お昼は京都線ホームにある
若菜そば(旧 阪急そば)で
カレーうどん。
そば屋でうどんを注文するのは
少しためらいましたが、だしは
中々美味でした。


神戸三宮駅でもスタンプをゲット。
河原町駅、高槻市駅、宝塚駅、
そして三宮駅の計4駅でスタンプ。
4個以上スタンプすると、あとは
梅田にあるキディランドで完了の
スタンプを自ら押して、記念品を
頂きました。




この日は結局宝塚線を行き来する
1編成のみの撮影でした。
京都線と神戸線はミッフィー電車が
どこを走っているのか、結局めぐり
合うことが出来ませんでした。


記念品は、ミッフィーや電車を
デザインしたマグネット。
スタンプラリーは、1日乗り放題の
チケットがある方がお得な気が
します。
ミッフィー電車は2023年3月末まで
運転されますが、スタンプラリーは
2022年11月6日までです。
ラッピング電車ではなくミッフィー関連の
ステッカーが貼られた電車が、京都線と
宝塚線、神戸線にそれぞれ1編成だけ
走っています。

これに伴うスタンプラリーが開催中で、
ミッフィー電車を撮影し、スタンプラリーに
参加するため、阪急電車を乗り鉄して
きました。
スタンプラリー参加用のミニ冊子が
主要駅に設置されていて、それを
持って決められた駅を4駅以上回り
ます。

乗り鉄を河原町駅からスタート。
まずは嵐山駅まで行きます。
駅ホームや駅舎にミッフィーが
うまく埋め込まれています。
ホームの駅名表示板にもミッフィーが
ちらり。

ホーム柵のところにもミッフィー関連の
絵柄が自然と埋め込まれていて、
うっかりすると見過ごしてしまいそう。

駅舎を出て振り返って見上げると、
「阪急嵐山駅」の大きな駅名表示に
さりげなくミッフィーがチラリ。

最初からあったであろう駅名表示に、
あとからミッフィーをさりげなく入れる
工事って、どんな具合にされたのか、
想像してみると面白いですね。


高槻市駅にスタンプが設置されている
ので、そこで途中下車して河原町駅に
続いて2個目のスタンプをゲット。

頭端式10面9線の大阪梅田駅ホーム。
その整然としていて壮大な雰囲気に
しばし撮り鉄をします。

車両番号ゾロ目の車両を発見。
最初は何の記号かわからず、
良く見ると1が4個でした。


ミッフィー電車は各路線で1編成
だけなので、中々お目にかかれ
ません。
撮り鉄がホームの北端に集まり
始めると、すぐにミッフィー電車が
やってきました。
ミッフィー電車のダイヤは公開されて
おらず、撮り鉄はどこからかダイヤの
情報がわかるようです。


大阪梅田駅に到着した電車は
しばらく停車して、15分もすれば
また目的地に向かって出発して
いきます。
その間、ミッフィー電車をじっくりと
撮影できます。



ミッフィー電車には中々お目に
かかれないものなので、撮り鉄で
なくとも皆さんスマホで撮影されて
ました。


特に小さな子供さんがいるご家族は
そこそこテンション上げて撮影
されてました。



お昼は京都線ホームにある
若菜そば(旧 阪急そば)で
カレーうどん。
そば屋でうどんを注文するのは
少しためらいましたが、だしは
中々美味でした。


神戸三宮駅でもスタンプをゲット。
河原町駅、高槻市駅、宝塚駅、
そして三宮駅の計4駅でスタンプ。
4個以上スタンプすると、あとは
梅田にあるキディランドで完了の
スタンプを自ら押して、記念品を
頂きました。




この日は結局宝塚線を行き来する
1編成のみの撮影でした。
京都線と神戸線はミッフィー電車が
どこを走っているのか、結局めぐり
合うことが出来ませんでした。


記念品は、ミッフィーや電車を
デザインしたマグネット。
スタンプラリーは、1日乗り放題の
チケットがある方がお得な気が
します。
ミッフィー電車は2023年3月末まで
運転されますが、スタンプラリーは
2022年11月6日までです。

2022年10月06日
旧和中散本舗
何度もその前を通ったことがあり、
名称も何回も耳にしたことがあった
ものの、今までずっと素通りだった
和中散。
秋の特別公開ということで、見学に
出掛けてきました。
9月下旬の日曜のことです。

栗東市六地蔵にある旧和中散本舗。
和中散は薬の名前です。

徳川家康が野洲永原に来られたときに
腹痛を訴えられ、地元で有名な薬である
和中散を服用されたところ、快癒したと
いうことで、和中散の名が全国に知れ
渡ったとのこと。

石部宿と草津宿の間にあるこの土地は、
宿を朝に出たあと、小休憩する場所で
あったようで、薬を買ったり小休憩を
する場所だったのでしょう。
平屋の大きな建物が旧和中散本舗。
その左端にあるのが小休み本陣。
天皇、大名ら偉い方が休憩できるよう、
座敷や奥には庭園が広がります。

この日は特別公開とあって、説明員の
方が詳しく丁寧に屋敷内を巡りながら
説明して頂きました。

旧和中散本舗の見どころは沢山あるの
ですが、直径4mにおよぶ大きな車輪の
ある製薬機、それと小休み本陣の
座敷へ上がる所にある欄間。
この2点がここ旧和中散本舗の
見どころベスト2 と説明ありました。

薬草を石臼で粉にする製薬機。
直径4mほどの大車輪は木製で、
この輪の内側に大人2人が入り、
足を使って車輪を回します。
この車輪の動きを歯車から歯車へ
伝達させ、最後は石臼がゴロゴロと
回り、薬草が粉になるという仕掛け。

実際は回転するのかもしれませんが、
今回の説明では実演はありません
でした。
当時街道を行き交う旅人には、この
製薬機が動く音が聞こえ、ひとつの
名物になっていたのだそう。

もうひとつの見所は小休み本陣の欄間。
大名や天皇など偉い人が籠に担がれて
本陣に到着すると、玄関から座敷へ
上がる際に、上を見上げると立派な
欄間が見えます。
横幅が5m、高さが70cmぐらいの寸法で、
ケヤキの一枚板に欄間が彫られています。


5m幅のケヤキ一枚板はそうそう準備
できるものでなく、それを前と後ろから
透かし彫りで鶴と亀などが彫られて
います。

鶴と亀は他より特に出っ張っていて、
すごく目立ちます。
一見の価値ありです。
コンピュータも何も無い時代に、
全て手作業でこんな立体的な
緻密な彫刻ができたものだと
感心させられます。


説明員による案内は、見学者10人ほどの
グループに分かれてぐるぐると屋敷内を
見て回ります。

下の写真は、薬の売上金を入れる
現代のレジのようなものらしく、
隙間へお金を入れることができ、
誰か悪意ある人が手を入れて
お金を盗もうとしても、お金を握った
ままでは手が抜けない構造になって
いるんだとか。

当時の看板でしょうか。
「ぜさい」は「是斉」と書き、この店の
屋号のようなものです。

小休み本陣の奥座敷も見て回ります。

座敷からは庭が望めます。
過日登ったことがある日向山が
背後に見えます。


5月にも特別公開が設定されており、
その頃だと庭にはカキツバタやツツジ
など花が咲いて庭がさらに映える
そうです。


明治天皇もこの本陣で休まれたことが
あるそうで、その時に使われた湯飲み
茶碗と、庭へ歩きに出られた時に
履かれた草履が飾られていました。


著名な画家による襖絵など見どころ
多く、屋敷内ぐるっと1周で約30分
ほどの見学でした。


そういえば、和中散はどんな薬草から
作ったものなのか説明が無かった
ような…。
この土地はむかし大きな梅の木が
あったことから、「梅の木」という
地名だったようです。
薬の成分のひとつに梅の木、
または梅が含まれていたのではと
勝手に想像してます。
幕末の頃には、ドイツ人医師である
シーボルトも調査のため、ここの薬を
もらったそうで、薬に対する彼の
コメントも聞いてみたいものです。

この日は結構な数の見学者が来場。

次回の春の特別公開の時に
また是非来てみたいと思いながら
旧和中散本舗をあとにしました。
名称も何回も耳にしたことがあった
ものの、今までずっと素通りだった
和中散。
秋の特別公開ということで、見学に
出掛けてきました。
9月下旬の日曜のことです。

栗東市六地蔵にある旧和中散本舗。
和中散は薬の名前です。

徳川家康が野洲永原に来られたときに
腹痛を訴えられ、地元で有名な薬である
和中散を服用されたところ、快癒したと
いうことで、和中散の名が全国に知れ
渡ったとのこと。

石部宿と草津宿の間にあるこの土地は、
宿を朝に出たあと、小休憩する場所で
あったようで、薬を買ったり小休憩を
する場所だったのでしょう。
平屋の大きな建物が旧和中散本舗。
その左端にあるのが小休み本陣。
天皇、大名ら偉い方が休憩できるよう、
座敷や奥には庭園が広がります。

この日は特別公開とあって、説明員の
方が詳しく丁寧に屋敷内を巡りながら
説明して頂きました。

旧和中散本舗の見どころは沢山あるの
ですが、直径4mにおよぶ大きな車輪の
ある製薬機、それと小休み本陣の
座敷へ上がる所にある欄間。
この2点がここ旧和中散本舗の
見どころベスト2 と説明ありました。

薬草を石臼で粉にする製薬機。
直径4mほどの大車輪は木製で、
この輪の内側に大人2人が入り、
足を使って車輪を回します。
この車輪の動きを歯車から歯車へ
伝達させ、最後は石臼がゴロゴロと
回り、薬草が粉になるという仕掛け。

実際は回転するのかもしれませんが、
今回の説明では実演はありません
でした。
当時街道を行き交う旅人には、この
製薬機が動く音が聞こえ、ひとつの
名物になっていたのだそう。

もうひとつの見所は小休み本陣の欄間。
大名や天皇など偉い人が籠に担がれて
本陣に到着すると、玄関から座敷へ
上がる際に、上を見上げると立派な
欄間が見えます。
横幅が5m、高さが70cmぐらいの寸法で、
ケヤキの一枚板に欄間が彫られています。


5m幅のケヤキ一枚板はそうそう準備
できるものでなく、それを前と後ろから
透かし彫りで鶴と亀などが彫られて
います。

鶴と亀は他より特に出っ張っていて、
すごく目立ちます。
一見の価値ありです。
コンピュータも何も無い時代に、
全て手作業でこんな立体的な
緻密な彫刻ができたものだと
感心させられます。


説明員による案内は、見学者10人ほどの
グループに分かれてぐるぐると屋敷内を
見て回ります。

下の写真は、薬の売上金を入れる
現代のレジのようなものらしく、
隙間へお金を入れることができ、
誰か悪意ある人が手を入れて
お金を盗もうとしても、お金を握った
ままでは手が抜けない構造になって
いるんだとか。

当時の看板でしょうか。
「ぜさい」は「是斉」と書き、この店の
屋号のようなものです。

小休み本陣の奥座敷も見て回ります。

座敷からは庭が望めます。
過日登ったことがある日向山が
背後に見えます。


5月にも特別公開が設定されており、
その頃だと庭にはカキツバタやツツジ
など花が咲いて庭がさらに映える
そうです。


明治天皇もこの本陣で休まれたことが
あるそうで、その時に使われた湯飲み
茶碗と、庭へ歩きに出られた時に
履かれた草履が飾られていました。


著名な画家による襖絵など見どころ
多く、屋敷内ぐるっと1周で約30分
ほどの見学でした。


そういえば、和中散はどんな薬草から
作ったものなのか説明が無かった
ような…。
この土地はむかし大きな梅の木が
あったことから、「梅の木」という
地名だったようです。
薬の成分のひとつに梅の木、
または梅が含まれていたのではと
勝手に想像してます。
幕末の頃には、ドイツ人医師である
シーボルトも調査のため、ここの薬を
もらったそうで、薬に対する彼の
コメントも聞いてみたいものです。

この日は結構な数の見学者が来場。

次回の春の特別公開の時に
また是非来てみたいと思いながら
旧和中散本舗をあとにしました。
